低濃度アトロピン点眼
マイオピン リジュセアミニ





近視進行抑制効果
0.025%アトロピンは、眼軸長の進展を29-32%抑制します。近視の進行を抑制し、将来の近視を軽減します。近視に関係する疾患の発症リスクを下げます。
使用方法
夕方〜寝る前に、1滴点眼するだけです。
マイオピンは、開封後1ヶ月で、捨てましょう。
リジュセアミニは、防腐剤無しのため、1回毎の使い切りです。
副作用
瞳孔が開くために、10%の方が日中の眩しさを自覚し、1%の方は継続困難です。また、手元の見づらさを自覚する場合があります。
夕方に点眼することで、改善する場合があります。点眼終了すると、1週間ほどで回復します。

低濃度アトロピン点眼による近視進行抑制治療の流れ
1
近視の確認
通常、保険診療にて、「近視」の精密検査を行います。マイナンバーカード(または保険証)と医療券をお持ちください。
費用:通常、保険診療
※初診日に点眼処方希望の方(自費)
近視検査基本料(初診)11,000円
処方料(0-1100円)+点眼代
2
点眼処方初回
翌日以降、治療開始ご希望であれば、受付にて、1ヶ月分の低濃度アトロピン(マイオピン/リジュセアミニ)を処方します。通常、お子さんの同伴は必要ありません。
費用:処方料 0-1,100円
点眼費用(下記参照)
3
定期受診
お子さんの屈折検査・視力検査を行い、まぶしさ・手元の見づらさが無いか確認します。問題ないようであれば、3-4ヶ月分の処方が可能となります。眼鏡・コンタクト処方も可能です。
費用:近視検査基本料(再診)3,300円
処方料 0-1,100円
点眼代(下記参照)
当局の指導により、低濃度アトロピン点眼使用期間中、視力検査、眼鏡処方やコンタクト処方など近視に関する診療には保険診療が使えず、自費診療となります。
花粉症やものもらい、外傷など、近視が直接関与しない内容は、同日でも保険診療可能になりました。
低濃度アトロピン点眼の費用
検査料
近視検査基本料(再診) 3.300円
※視力検査、眼軸長検査など
※眼鏡処方可能
※コンタクトレンズ処方(EDOF含む)可能
※オルソの方は不要
調節麻痺検査加算 1,100円
マイオピン(2025年5月1日価格改定)
マイオピン処方料 0円
0.01%マイオピン 3,960円
0.025%マイオピン 4,070円
-
1本で1ヶ月分です。
-
初回1本処方 2回目以降 3-4本処方
-
リジュセアミニ発売に伴い、マイオピン輸入停止となり、在庫限りとなります。
リジュセアミニ(2025年4月21日発売)
リジュセアミニ処方料 1,100円
※毎回必要
※オルソの方も必要
リジュセアミニ1包装30本 4,380円
リジュセアミニ1本お試し 330円
-
1本で1日分 1包装30本1ヶ月分です。
-
初回1ヶ月分処方 2回目以降 3-4ヶ月分処方
・価格は税込です。
・費用は改定する可能性があります。
初回ご相談のご予約はこちらへ
ご予約が一杯でも、院長外来日にいらっしゃれば相談可能です。
Q&A
Q:マイオピンとリジュセアミニの違いを教えて下さい。
A:マイオピンは、シンガポール国立大学の研究により、開発された低濃度アトロピン製剤です。これまでは、日本製のものが無く、輸入に頼っておりました。防腐剤が入っておりますが、1ヶ月使用したら、破棄していただくことで、衛生的に使用できます。
リジュセアミニは、日本の参天製薬の開発した、近視進行抑制の効能効果をもつ国内初の低濃度アトロピン製剤です。防腐剤無添加の使い切りタイプになっており、さらに衛生的かつ安全に使用可能です。従来のマイオピンよりも散瞳(瞳孔が開くこと)が軽減され、眩しさも減る可能性があります。尚、治験では約10%の方に眩しさあり、1%の方中止となったようです。
Q:マイオピンとリジュセアミニ どちらを使えばよいですか?
A:従来のマイオピンで副作用がなく、近視度数・眼軸長が安定している方は、マイオピンを継続していただければと思います。
しかし、0.01%マイオピン使用中で近視進行が見られる方は、リジュセアミニへの変更をお勧めします。
初めての方は、リジュセアミニを推奨します。また、マイオピンは在庫限りとなります。
Q:低濃度アトロピン(マイオピン/リジュセアミニ)の副作用はありますか?また、全身へ影響はありますか?
A:主な副作用は、瞳孔が若干広がることによる「眩しさ」です。約10%の方に感じるようです。1ヶ月ほどで慣れる方も多く、そのため中止になる方は1%くらいです。8時間位が最大効果時間となるため、起床後に眩しさを感じる場合は、点眼時間を就寝直前から夕方にすると軽減されます。稀に手元の見えづらさを感じるお子さんもいます。
Q:マイオピン/リジュセアミニは、オルソケラトロジー治療と併用はできますか?
A:オルソケラトロジー治療と併用できます。近視進行抑制効果が上がる事という報告があります。マイオピン/リジュセアミニ点眼後、5-10分以上してから、オルソレンズ装用してください。
Q:マイオピン/リジュセアミニは、レッドライト治療と併用はできますか?
A:いずれの点眼も散瞳効果をもつため、レッドライト治療とは併用できません。レッドライト治療の適応検査の2週間前から、マイオピン/リジュセアミニは中止されてください。
Q:マイオピン/リジュセアミニは、眼鏡と併用はできますか?
A:特に問題なくご使用いただけます。
Q:マイオピン/リジュセアミニとコンタクトレンズは併用はできますか?
A:特に問題なくご使用いただけます。マイオピン点眼は防腐剤が入っているため、裸眼の時に行いましょう。リジュセアミニ点眼は、防腐剤無しのため、添付文書上では、コンタクトレンズ上からも点眼できますが、効能効果に関する治験は行われていないので、裸眼での点眼を推奨します。
Q:マイオピン/リジュセアミニは、視力を回復させますか?
A:軸性近視であれば、視力回復することはありません。調節緊張による「仮性近視」には、調節緊張緩和による視力回復が若干期待できます。
Q:マイオピン/リジュセアミニは、効果がない場合はありますか?
A:0.01%アトロピン点眼は、9%の方に無効だったという海外の報告があります。0.025%の報告はありません。近視進行が継続するようであれば、レッドライト治療への変更・オルソケラトロジー併用・クロセチンサプリメント併用を検討が必要となります。
Q:マイオピン/リジュセアミニは、どれくらい続けますか?
A:2年以上の継続をお勧めしますが、近視は平均16歳まで進行することが知られていますので、小学生〜中学生の間は使用することを推奨します。
Q:マイオピン/リジュセアミニは、中止後に近視が進むことはありますか?
A:中止後、若干進みやすくなるものの、全期間で比較すると、使わなかった方よりも進むということはありません。
Q:マイオピン/リジュセアミニは、12歳以上ですが、使用できますか?
A:処方可能です。12歳〜16歳でも、平均的には近視は進行します。
ただし、点眼後8時間程度は瞳孔に影響があります。高学年になって生活リズムが変わり、夜に点眼してから朝起きるまでの時間が短くなると、朝のうちは近くが見づらい・まぶしいといった症状を感じることもあります。点眼するタイミングを夕方にするのがお勧めです。
Q:マイオピン/リジュセアミニは、6歳未満ですが、使用できますか?
A:処方可能です。早い子ですと、3〜4歳から近視のお子さんもいらっしゃいます。当院でも使用経験もあります。元々アトロピンは1歳くらいでも検査や治療で使用する薬なので、過度に恐れる必要はありません。6歳未満の場合、かなり進みやすい事が予想されるため、初回から0.025%マイオピン/リジュセアミニを推奨します。
Q:マイオピン/リジュセアミニについて、気をつけることを教えて下さい。
A:マイオピンの場合、開封したら、1ヶ月後に破棄してください。1日1回なので、1ヶ月経過した後も意外と残っていると思います。点眼瓶も、防腐剤も入っておりますが、睫毛などに触れて汚染していきます。口をつけたペットボトルの水を次の日に飲む人はいないですよね。
リジュセアミニは、防腐剤も入っていない、使い切りタイプなので、使用後すぐに破棄してください。また、アルミパックを開封後、使用できるのは、3ヶ月となっています。