
ドライアイの治療

治療の前に出来ること
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コンタクトレンズの変更
HEMA製レンズよりもシリコンハイドロゲル製のレンズの方が乾きづらいので、レンズ変更も検討を。
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目を温める
血流増加により、涙液が増えたり、マイボーム腺機能不全の予防になり、ドライアイ予防に繋がります。
製品としては、「めぐりズム」や「あずきのチカラ」等がおすすめです。
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加湿器
乾燥はドライアイの天敵です。冬は特に!
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長時間のPC作業や運転を避ける
集中すると瞬きが減ります。
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エアコンが直接当たらないように
大事です。





点眼薬
当院処方のドライアイ用点眼は全て、どんなコンタクトレンズの上からでも使えます。
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人工涙液(ソフトサンティア等)
涙と同じ濃度の塩分を含んだ水です。保険はきかず、薬局で買えるのがメリットです。
しかし、有効成分を含んでいないので、治療効果はあまり期待できません。
アレルギー性結膜炎の方が、眼の表面の花粉や埃を洗い流すのにオススメです。
欠点は、「かえって乾く」
点眼しすぎると、涙本来のムチン等を洗い流してしまって、かえって乾く事もあるので注意です。
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ヒアルロン酸製剤
傷を治す事もできる最もBASICな点眼薬です。
副作用もほぼ無く、お子さんも安心してお使いいただけます。
欠点は、「持続力の無さ」と「粘着力の強さ」
眼表面には、20分しか滞留せず、涙液は増やしませんので、本格的なドライアイには不向きです。
また、空気中のアレルゲンがくっつきやすくなる事もあるので、注意です。
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ジクアス
水分を増やす効果とムチンを増やして涙液を安定化させる効果を持っています。
効果は2-3時間もつので、中程度以上のドライアイの方にオススメです。
欠点は、「刺激感」と「メヤニ」
ドライアイが強く傷がついている方は最初のうち、しみやすいことです。
次第に落ち着いてくる事が多いです。
また、ムチン産生に伴い、糸状のメヤニが増える事があります。
効果が出ている証拠ですが、気になる場合もあると思います。
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ムコスタ
ムチン産生する杯細胞を増やし、涙の質を改善させます。
ゴロゴロや痛みがあるドライアイにオススメです。
元々胃潰瘍の薬だったので、粘膜の炎症を抑える効果もあります。
欠点は、「苦味」と「白さ」
喉まで流れると苦いので、点眼後、目を5分間閉じたり、目頭を1分押さえたりすると良いです。
また、白いので、点眼後一時的に霞んだり、まつげにつく事があります。
ティッシュ等でまぶたに付いた分は拭き取りましょう。
その他の治療
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涙点プラグ
点眼しても、症状が改善されない場合や重症ドライアイでは、涙点を閉鎖することが必要です。
シリコン製のプラグを涙点に挿入します。
処置は一瞬でほとんど痛みはありません。
自然に抜けてしまう事もありますが、効果は強いです。
ジクアスやムコスタが登場するまでは、かなり活躍してました。
欠点は、「長期挿入による肉芽形成」や「挿入直後の異物感」
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キープティア
上記のプラグの代わりに体温で固まる「アテロコラーゲン」を注入します。
涙点プラグのような肉芽形成や異物感の心配もありませんが、3ヶ月ほどで無くなります。
また、涙点プラグよりも効果が弱いことが多いです。
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涙点閉鎖
涙点プラグで効果が出るけども、すぐ抜けてしまう場合、涙点を焼いたり、縫うことにより、半永久的に涙液貯留量を増やします。
最終手段です。
